― エネルギーインテリジェンスで切り拓く、持続可能な未来社会 ―
shin1sakamoto Research Hubでは、「エネルギーインテリジェンス」をキーワードに、エネルギーを物理量としてだけでなく情報として捉え、予測・制御・変換の観点から統合的に研究を進めています。未利用エネルギーや自然エネルギーの有効活用、廃熱の回収・再利用など、持続可能な社会を支える基盤技術の創出に取り組んでいます。
主な研究テーマ
熱音響現象の応用
- 未利用熱エネルギーを効率的に活用するため、熱音響現象を利用した冷却および発電技術の研究開発を行っています。
- 熱音響冷却システムを試作し、室温から-20℃までの冷却に成功。さらに、熱音響発電システムの開発も推進中です。
- 集積デバイス(CPUやGPU等)の冷却を目的とした熱音響冷却システムの開発も進めており、ファンや液冷方式が適さない環境での利用を想定しています。
- スタックや熱交換器、システム全体の形状に着目し、音-熱変換効率の向上を目指しています。
- システム内部の音場に着目した新規デバイス「Phase Adjuster」を提案し、変換効率の大幅な向上に成功しました。
- 熱音響現象特有の「周波数ジャンプ現象」の解明や、効率低下の原因となる不要な熱の動きの把握など、基礎研究も実施しています。
- 熱音響現象を応用したサイレンサーの研究開発も進めており、特に低周波領域での性能向上を目指しています。
超音波技術の開発
- 医療用超音波センサや医療用超音波トランスデューサの設計・製作を行っています。用途や要件に応じて、圧電素子の選定や構造設計、組み立てまで一貫して対応しています。
- 液面計などに使用される空中超音波トランスデューサの設計・製作も手掛けており、特に音響整合層の設計・製作に成功しています。整合層の最適化により、超音波の伝達効率や測定精度を向上させています。
- 医療用超音波センサを用いた浮腫(むくみ)の診断技術を開発しています。非侵襲的に体内の状態を評価できるため、患者への負担が少なく、継続的なモニタリングが可能です。
- FDTD(Finite Difference Time Domain:有限差分時間領域)法を用いて、超音波の音場分布をシミュレーションし、可視化しています。FDTD法は、空間と時間を格子状に分割し、Maxwell方程式や波動方程式を差分化して解く数値解析手法であり、複雑な音場の挙動を詳細に解析できます。
- デバイスの構造や熱エネルギーの分布を応用した音響メタマテリアルの研究開発にも取り組んでいます。
時系列解析とAI融合
- 時系列解析とAIを組み合わせ、音響信号や加速度センサのデータからモーターや周辺機器の故障予知技術を開発しています。
- DCモーターについては、高電圧故障など複数のパターンを検知し、ある条件内での故障予知を実現しています。
- 故障予知の対象をインダクションモーターやギアなどの周辺部品にも拡大し、ミニ四駆やドローンなど多様な機器の状態監視へも検討を進めています。
- 医療分野では、超音波信号の時系列解析を活用し、看護系の先生方と連携して浮腫の診断支援技術の研究も進めています。
研究の特徴
- 熱・音・電気・情報を融合した学際的アプローチ
- AIや物理モデルを駆使した高度な解析・制御技術
- 社会実装を見据えた産業・医療現場との連携
- 学生・企業との共同研究や技術相談も積極的に実施
参加・連携のご案内
shin1sakamoto Research Hubでは、未来を見据え、エネルギーと情報の交差点で新たな価値を創造する研究活動を展開しています。私たちの研究は、未利用エネルギーや自然エネルギーの有効活用、廃熱の回収・再利用といった持続可能な社会を支える基盤技術の創出を目指しており、熱音響現象や超音波技術、時系列解析とAIの融合など、多様なテーマに取り組んでいます。これらの挑戦は、産業や医療、社会インフラなど幅広い分野への応用が期待されており、エネルギーインテリジェンスという新しい視点から、次世代技術の開発に挑戦しています。
私たちは、学生や企業の皆様との連携を積極的に推進しています。共同研究や技術相談、インターンシップ、産学連携プロジェクトなど、多様な形でのご参加を歓迎しています。実際に、学生の皆さんには最先端の研究テーマに触れながら、専門知識や実践的なスキルを身につける機会を提供しており、企業の皆様には現場の課題解決や新規事業創出のパートナーとして、研究成果を社会実装するための橋渡し役を担っています。研究室では、熱・音・電気・情報を融合した学際的なアプローチを重視し、AIや物理モデルを活用した高度な解析・制御技術の開発にも力を入れています。
これからの社会に必要とされる「エネルギーと情報の融合」にご関心のある方、技術革新や社会課題の解決に一緒に取り組みたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。shin1sakamoto Research Hubは、研究を通じて社会と未来をつなぎ、持続可能な社会の実現に向けて挑戦を続けます。皆様のご参加・ご連携を心よりお待ちしております。